JIS開発テーマ採択、現場は何を準備する?

その他製造業

記事の要点(3行まとめ)

【トレンド】:経産省は「新市場創造型標準化制度」を活用したJIS開発の標準化テーマ2件を決定しました。
【メリット】:特定企業が保有する先端技術などの標準化を後押しする制度として位置づけられています。
【重要性】:標準化は普及の土台になり、調達仕様・検査方法・評価の揃え方に影響しやすいテーマです。

現場で困るのは「取引先ごとに評価の仕方が違う」「測り方が揃わず揉める」といった、仕様と検査のすり合わせです。標準化の動きはすぐに生産ラインを変える話ではなくても、後から効いてくるので、テーマ採択の段階で“何が標準になりそうか”を掴んでおくと段取りが楽になります。

【Q】いま現場で起きている「標準化」の変化とは?

経産省はJISCの審議結果を受け、東京都の企業から提案のあったJIS開発の標準化テーマ2件について、新市場創造型標準化制度の活用を決定したとしています。

採択テーマは「ミネラル成分添加給水装置に関するJIS開発(LIXIL)」と「3次元空間内の長さ計測結果の精度評価方法に関するJIS開発(アキュイティー)」と明記されています。

【Q】導入すると現場はどう変わる?(具体的なメリット)

同制度は、従来の標準化プロセスでは推進が難しい、複数の関係団体にまたがる技術・サービスや特定企業が保有する先端技術などの標準化を後押しする制度だと説明されています。

今後は、利害関係者の合意を得るため原案作成委員会を設置し、JIS原案を作成し、JISCでの審議など所要手続きを経て適切と認められればJISになる、という流れが示されています。

現場目線では、特に「精度評価方法」のようなテーマは、測定・検査の手順書、校正、受入検査の合否判定に波及しやすいです。新しい材料や新しい計測が増えるほど、“測れること”と“保証できること”の距離が課題になりがちで、標準化はその差を詰める手がかりになります。

【独自考察】よくある失敗と「つまずきポイント」

つまずきやすいのは、「標準が決まってから対応する」と考えて、現場の準備が後手に回ることです。標準化が進むテーマは、評価・試験の言葉が揃っていくので、先に社内の用語・測り方・記録の残し方を揃えるほど、後で揉めにくくなります。

もう一つは、営業・開発・品質・生産で“欲しい基準”がズレたまま進むことです。標準化の議論は、結局「誰が使うか(ユーザー)」に寄るので、現場の困りごと(再測定、判定のぶれ、設備の段取り)を短く言語化しておくと、社内の意思決定が速くなります。

安全面では、新しい評価方法が入る時ほど、測定の手順ミスが品質事故につながりやすいので、教育(誰がどこまで判断するか)を先に決めるのが現実的です。

【Q】どこから始めればいい?(迷ったときの進め方)

まずは、次の順にチェックすると迷いにくいです。

  1. 自社に関係する“測る工程”を洗い出す:三次元計測や長さ計測の評価がどこにあるかを棚卸しします。
  2. 判定の根拠を整える:合否判定の基準、計測条件、記録様式を揃えます。
  3. 変更に備える:原案作成委員会→審議という流れを前提に、手順書の改訂ルートを用意します。


参考・関連リンク

  1. 経済産業省:
    「新市場創造型標準化制度」を活用したJIS開発案件を決定しました(2026年2月20日)

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