【トレンド】:ヤンマー建機は2025年度から開発・購買・原価企画・品質保証・品質管理の5部門でAIデータプラットフォームCADDiを本格活用しています。
【メリット】:購買部門では類似図面を使った取引先候補の絞り込みにより、選定時間が5〜10分から2〜3分へ、最大70%の短縮につながっているとされています。
【重要性】:設計・購買・品質管理のシステムが分断され、データ活用が一部のベテラン社員に偏っていた課題に対し、複数部門同時の取り組みとして整理されている点は、同じ悩みを抱える製造業にとって参考になります。
「あの図面、前にも似たようなものを作らなかったか」——そんな確認作業に時間を取られている購買・設計担当の方も多いのではないでしょうか。
【Q】いま現場で起きている「図面データ活用」の変化とは?
ヤンマー建機株式会社(本社:福岡県筑後市)は小型建設機械分野を担うグループ企業で、開発から製造・販売・アフターサービスまでを一貫して手掛けています。
同社ではこれまで、設計・購買・品質管理の各システムが分断されており、必要な情報にたどり着くまでに多くの工数がかかっていました。類似図面を見つけられないまま新しい図面を起こすケースが続き、コスト増加にもつながっていたと説明されています。
こうした背景から、開発・購買・原価企画・品質保証・品質管理の5部門で、AIを使った図面データプラットフォームの活用が始まりました。
【Q】導入すると現場はどう変わる?(具体的なメリット)
特に手応えが出ているのは購買・品質保証・開発の3部門です。購買部門では、AIによる類似図面の絞り込みを使うことで、1部品あたりの候補選定にかかる時間は、5〜10分から2〜3分へと最大70%短縮されています。経験の浅い担当者でも、ベテランに近い精度で候補を絞り込めるようになりました。
品質保証部門では、数千件のサプライヤー調査報告書を図面と結び付けて管理する体制が整い、不具合が起きた際の情報共有や、設計変更後の部品調査への参照がしやすくなっています。
開発部門でも、図面注記の確認や類似形状の部品探索といった使い方が定着し、一人あたり週1時間分の業務効率化につながっているとされています。
【独自考察】よくある失敗と「つまずきポイント」
複数部門で同時に導入する場合、部門ごとに使い方が異なるため、定着には時間がかかりやすい点に注意が必要です。ヤンマー建機では、ログイン率20%という目標を設定し、調べる習慣づけやデータ管理への意識付けを進めています。
数字として表れる効率化だけでなく、属人的だったデータへのアクセスを組織の共有資産に変えていく取り組みとして進めている点が特徴です。単に導入するだけでなく、設計・原価企画・品質管理といった部門間の連携を見据えた運用設計が、定着の分かれ目になりそうです。
【Q】どこから始めればいい?(迷ったときの進め方)
まずは、次の順にチェックすると迷いにくいです。
1. 時間がかかっている業務の洗い出し: 類似図面の検索や取引先候補の選定など、どの業務に時間を取られているかを整理します。
2. 定着のための目標設定: ログイン率のような利用状況の指標を決め、使う習慣づけにつなげます。
3. 部門間の連携範囲を検討: 設計・原価企画・品質管理など、どの部門の情報をひもづけると効果が出やすいかを考えます。
参考・関連リンク
1. キャディ株式会社:ヤンマー建機における製造業AIデータプラットフォーム活用実績に関するプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000039886.html