記事の要点
【トレンド】: 自動車部品を手がける製造現場で、点検や修理依頼の紙運用をやめ、設備管理をデジタルで一元化する動きが進んでいます。
【メリット】: QRコードを使った修理依頼により、現場では1日あたり約2時間の工数削減が報告されています。
【重要性】: デジタル化で生まれた時間を若手教育や高度な保全作業に充て、技術伝承の強化につなげようとしています。
点検結果を紙に書き、事務所に戻ってExcelに打ち直す。不具合が出れば、依頼書をもらいに保全ステーションまで歩く。こうした手間に心当たりのある現場は少なくないはずです。
【Q】いま現場で起きている「設備保全のデジタル化」の変化とは?
自動車、建設機械、産業用ロボットなどの主要部品を製造する株式会社IJTT(本社:神奈川県横浜市)の真岡工場が、工場管理システム「MENTENA」を導入しました。同工場はロボットやローダーを使った自動無人ラインを多く持つ現場です。
以前は手書きの点検表を使っていたため、リアルタイムでの状況把握が難しく、業務後にデスクでデータを打ち直す二度手間が発生していました。紙での管理が長く続いたことで、トラブル対応にかかった時間の算出や過去の修繕履歴の検索に時間がかかり、メンテナンスのノウハウが属人化してしまう課題もありました。
IJTTはこうした課題を整理し、導入を決めています。
【Q】導入すると現場はどう変わる?
設備に貼ったQRコードを読み取るだけで、その場で修理依頼ができるようになりました。これにより現場と保全ステーションを往復する移動が減り、1日あたり約2時間の工数削減が報告されています。
修理履歴や時間がデジタルで記録され、現場の状況をリアルタイムに把握できるようになりました。蓄積されたデータを活用し、どの設備を優先して整備すべきかの判断にも役立っています。
将来的には振動センサーなどと組み合わせ、設備が止まる前に異常を捉える予防保全の体制づくりを進め、「故障ゼロ」の実現を目指して取り組みを続けています。
【独自考察】よくある失敗と「つまずきポイント」
保全のデジタル化は、ツールを入れて終わりではありません。IJTTの事例では、紙運用からの脱却によって生まれた時間を、若手社員の教育や高度なオーバーホール作業に充てるという活用方法が大きな特徴です。つまり、効率化そのものより、空いた時間を何に振り向けるかが技術伝承のカギになります。
また、予防保全への移行はセンサー連携など段階的な構築が前提とされており、最初から完成形を求めないステップを踏むことが成功のポイントです。事後保全の質を上げつつ、予兆把握へ少しずつ広げる順序やアプローチが現実的と言えます。
【Q】どこから始めればいい?
まずは、次の順にチェックすると迷いにくいです。
1. 紙運用のロスを洗い出す:
点検記録や修理依頼で、転記や移動のどこに時間がかかっているかを書き出します。
2. 入力の手間を減らす入り口を決める:
IJTTはQRコードの読み取りで修理依頼を始めています。まずは誰でも簡単に扱える、ハードルの低いスタートラインから検討してみましょう。
3. 空いた時間の使い道を決める:
削減した工数を、若手教育や高度な保全に充てる前提で計画します。
参考・関連リンク
1. 八千代ソリューションズ株式会社:IJTT真岡工場におけるMENTENA導入事例を伝えるプレスリリース
八千代ソリューションズ株式会社(PR TIMES)
2. 八千代ソリューションズ株式会社:MENTENA導入事例記事ページ
MENTENA導入事例(IJTT)公式