記事の要点
【トレンド】: 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)がEIG CONCERT-Japanの枠組みで、AIとロボティクスの統合による実世界応用をテーマとした国際共同研究の公募を2026年4月28日に開始しました。
【メリット】: 採択された場合、日本側研究者は3年間で最大3,900万円の委託研究費を受け取ることができ、6課題程度の採択が予定されています。
【重要性】: 制御された環境では動くロボットが実世界の変化に対応しきれないというギャップを埋める研究を、日本と欧州10カ国が連携して推進する枠組みとして整理されています。
ロボットの性能は上がっているのに、実際の製造現場や社会インフラの中ではなかなか本格稼働できない——その背景には、想定外の環境変化への対応や、複雑な作業への適応という壁があります。今回の公募は、そのギャップを研究レベルから解消しようとする国際的な取り組みです。
【Q】「実世界応用AIロボティクス」公募で何が問われているか?
JSTが今回公募する分野は「AI-Powered Robotics for Real-World Applications(実世界応用AIロボティクス)」です。AIとロボティクスを統合し、実際の環境でスケーラブルに機能するロボット応用の研究提案を対象としています。
求められているのは、複雑な作業をこなし、状況の変化に柔軟に対処し、運用にかかるコストを抑えながら動き続けられるロボットの実現です。さらにそうした能力を、社会的に意義のある領域での価値創出につなげる研究が想定されています。
日本側の支援機関はJSTで、欧州側にはイタリア・エストニア・チェコ・スペイン・スロバキア・ドイツ・トルコ・ハンガリー・ブルガリア・ポーランドの10カ国10機関が参加します。研究主幹は名古屋大学の間瀬健二特任教授が担当します。
【Q】応募するとどんな支援が受けられる?
採択された場合、日本側研究者は3年間で3,900万円を上限とした委託研究費を受け取ることができます。この金額には直接経費の30%にあたる間接経費が含まれています。採択予定は6課題程度とされています。
応募期間は、日本側(e-Rad)が2026年4月28日から2026年7月22日17時(日本時間)までです。欧州側(PT-Outline)の締切についてはJST公式ページでご確認ください。両システムへの申請がそろって初めて審査対象となるため、どちらか一方だけでは審査に進めない点として明記されています。
【独自考察】よくある失敗と「つまずきポイント」
応募にはコンソーシアムの組成が前提となっており、欧州2カ国以上の研究機関と日本側研究機関が共同で申請する必要があります。海外連携パートナーが確保できていない段階では応募自体が成立しないため、準備の最初のステップとして位置づけておく必要があります。
書類の提出先がe-RadとPT-Outlineの2システムに分かれている点も、実務上の注意点です。どちらか一方への申請が漏れた場合は審査対象外になるとされており、提出スケジュールを両システム分で管理する必要があります。
日本側の応募書類には、法令遵守チェックリストや確認書を含む申請様式と、応募概要書(和文)のPDF提出が必要です。また「日本側応募者への応募にあたっての注意事項」は後日記載予定とされているため、JSTの公式ページで最新情報を随時確認しておくことが求められます。
【Q】どこから始めればいい?(迷ったときの進め方)
まずは、次の順にチェックすると迷いにくいです。
1. 欧州連携パートナーの確保: 欧州2カ国以上の研究機関との共同申請が必須のため、コンソーシアムの組成が最初の条件になります。EIG CONCERT-Japanのウェブサイトで参加国・機関を確認し、連携先の候補を早期に絞ることが必要です。
2. 公募要領と注意事項の最新版を確認する: 「日本側応募者への応募にあたっての注意事項」は後日記載予定とされています。JSTの公式ページを定期的に確認し、書類準備のスケジュールを締切から逆算して組み立てます。
3. e-RadとPT-Outlineの両方への提出を管理する: 2つのシステムへの申請が必須であり、どちらかが欠けると審査対象外になります。提出期限(日本時間2026年7月22日17時)に向けて、両システムの操作手順を早期に把握しておくことが重要です。
参考・関連リンク
1. JST(国立研究開発法人科学技術振興機構):今回の公募に関する公式案内ページ JST公式
2. EIG CONCERT-Japan:日欧多国間共同研究の枠組みに関する公式ウェブサイト EIG CONCERT-Japan公式
3. e-Rad(府省共通研究開発管理システム):日本側の応募申請システム e-Rad公式