記事の要点
【トレンド】:マルサンアイ株式会社は2026年6月から、商品企画のコンセプトシート作成工程にAIエージェントを導入しています。
【メリット】:情報収集・分析・資料化に要する時間が、1件あたり平均34時間から17.5時間へ、約49%の短縮につながっているとされています。
【重要性】:ツール導入の前に業務プロセスそのものを見直すという方針のもとで進められた取り組みであり、バックオフィス業務の効率化を検討する企業にとって参考になります。
「コンセプトシートを1本作るのに、気づけば丸4日以上かかっていた」——商品企画や資料作成に多くの時間を取られている担当者の方も多いのではないでしょうか。
【Q】いま現場で起きている「商品企画業務」の変化とは?
マルサンアイ株式会社(本社:愛知県岡崎市)は、豆乳やみそなど大豆を主原料とした商品を中心に製造・販売してきたメーカーです。同社は2020年からDXを推進しており、2026年1月には経済産業省の「DX認定」を取得しています。「DXはBX(ビジネス・トランスフォーメーション)から始まる」という方針のもと、ツール導入に先立って業務プロセスそのものを見直す進め方を取っています。
商品企画部門では、コンセプトシート作成に必要な情報収集・分析・資料化に多くの時間がかかっており、担当者が企画の検討や意思決定に集中しにくいことが課題になっていたといいます。
【Q】導入すると現場はどう変わる?
この課題を受け、マルサンアイは2026年6月から、商品企画のコンセプトシート作成工程にAIエージェントを導入しました。このAIエージェントは、株式会社オプティス(本社:愛知県名古屋市)が提供する法人向け統合AIエージェント基盤「OPTIS One」を活用して構築されています。
導入の結果、コンセプトシート1件あたりの情報収集・分析・資料化にかかる時間は、導入前の平均34時間から導入後の平均17.5時間へと、約49%短縮されています。なお、この効果検証は商品企画プロセス全体ではなく、コンセプトシート作成に関わる情報収集・分析・資料化の工程を対象としたものです。
短縮によって生まれた時間は、生活者ニーズの深掘りや商品コンセプトの磨き込み、品質・実現性の確認、関係部門との議論に充てることを目指しているとのことです。
【独自考察】よくある失敗と「つまずきポイント」
今回の取り組みでは、AIエージェントの導入自体よりも先に、業務プロセスの見直しを進めていた点が特徴です。オプティス社側も、業務知識や判断軸、作成プロセスを業務の文脈として整理した上でAIエージェントに組み込んだとコメントしています。単にツールを入れるだけでなく、どの工程のどの作業を任せるかを事前に整理しておくことが、効果を出すための前提になっていると考えられます。
また、今回の効果はコンセプトシート作成工程に限定された数値であり、商品企画業務全体がそのまま49%効率化されたわけではない点も、他社が参考にする際に押さえておきたいポイントです。
【Q】どこから始めればいい?
まずは、次の順にチェックすると迷いにくいです。
1. 時間がかかっている工程の切り分け: 商品企画であれば、情報収集・分析・資料化など、どの作業に時間がかかっているかを分けて考えます。
2. 業務プロセスの見直しを先に行う: ツールを入れる前に、どの工程をAIに任せるかを整理します。
3. 空いた時間の使い道を決めておく: 短縮できた時間を何に充てるか(企画の質の向上など)をあらかじめ決めておきます。
参考・関連リンク
1. マルサンアイ株式会社:商品企画業務へのAIエージェント導入に関するプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000226.000048770.html